【おすすめ本27】平野暁臣著「太陽の塔」 書評

おすすめ本

”お役所仕事”でどうやって太陽の塔を建てたのか?

 非主流派の岡本太郎をトップに招き、「経済的な豊かさだけでいいのか?」と問いかけ、20代30代のメンバーを中核ポジションに抜擢し、”コスト度外視”で「好きなようにやってくれ」と現場に任せる。なぜそんな無謀なことができたのか?が関係者から語られていきます。

”時代”なのか?

 「当時だからできた」「今だったらできない」。本著の中でも繰り返し出てきますが、私は読んでいて違うことを感じました。

 当時も”しがらみ”や”お役所体質”や”金勘定”は当然あった。「こういうのをやりたいんだ!」という思いを持ってプロジェクトを開始した当時の万博事務総長も、途中でポストを外されている。それでも最初にあった”熱意”が引き継がれていき、やる気のある人が集まってきて、日本中をアっと言わせる”ベラボー”を打ち立ててみせた。そんな風に私は感じました。

『プロジェクトX』にはなり得なかったストーリー

 最も印象的だったのが、”なんの苦労もなかった”ために『プロジェクトX~挑戦者たち~』で番組にならなかったという話でした。なんとなく思い描く”プロジェクト”とはかけ離れていて目からウロコが何枚も落ちました。最近エネルギーが足りていないと感じている方に特にオススメです。

コメント