【おすすめ本3】山田玲司著「AGAPES アガペイズ」 書評

おすすめ本

『僕は・・・なにもかも隠して生きている。
あの日から ずっとだ・・・』
(山田玲司著「AGAPES」第1巻 TAO.1 秘密の夏 から引用)

孤独なゲイの少年が、風水魔球で甲子園を目指す。

 高校2年でビジュアル系バンドのカリスマボーカリストになりつつあった主人公の水樹百合は、初恋相手の高校球児 虎輝を甲子園に連れて行くことを決意。東洋の超能力集団「アガペイズ」に出会い、風水魔球をマスターする。しかし、魔球を1つ覚えるごとに大切なモノを1つずつ失っていき、甲子園出場と引き替えに”全て”を失ってしまう・・・。

光は完全な光ではなく必ず一点の闇を持ち、闇は完全な闇ではなく必ず一点の光を持つ。

 全てを失ったところから、東洋思想の本当の意味が解き明かされていきます。そして、絶望を乗り越えた主人公が『本当の自分の人生』の第一歩目を踏み出す。読む度に心が熱くなります。

 『西洋思想と東洋思想の違いは何か?』『現代の日本が豊かさと引き替えに失ったモノとは?それをどうやって取り戻していくか?』ストーリーに夢中になって読み進む内に”知恵”も身につけることもできます。是非読んでみてください。

 

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