【おすすめ本4】望月諒子著 「ソマリアの海賊」 書評

おすすめ本

 会長のスピーチ原稿を隠していたGPS付き社用車がタイミング悪く点検に出され、修理工場の手違いで中古車として売られる。スピーチ原稿の回収を指示された若手社員の倉木京平はGPSを頼りに社用車に追いついかけるが、密輸船に乗り込んで降りれなくなってしまいソマリアに運ばれる・・・。

環境、行動、能力、思想、アイデンティティーが日本と全く違う。

 アフリカの最貧国、無政府状態、イスラム教、砂漠の遊牧民、・・・。舞台のソマリアでの暮らしは当然のことながら日本とは全然違います。逆に、全く違う世界を知ることで日本にいると当たり前で見落としがちなことに気づけたのは良かったです。

最後まで一気読みした後に、いろんなことを考えさせられる。

 荒唐無稽なストーリーですが、細部までしっかりと辻褄が合わせられているので引きこまれてすっと読めます。そして、最後のソマリア漁師の演説と会長のスピーチ原稿を通して、現代社会の問題点とそれに対してどう向き合っていくかを考えさせられます。お時間のある方は是非読んでみてください。

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