【奥様おすすめ】加納朋子著「七人の敵がいる」 書評

おすすめ本

「ーそもそもPTA役員なんて、専業主婦の方じゃなければ無理じゃありませんか?」

 出版社で働く主人公の山田陽子は、一人息子が入学して最初の保護者会で保護者のほとんどを敵に回す。

空気が読めない。

・上手く距離感が取れない夫の家族。
・バラ色の未来に夢中で、足元の”現実”が見えない父母会の会長。
・自治会会長を押しつけられたことにも気づかずに帰ってくる夫。
・厄介なコミュニティーに何も考えずに飛び込んでいく息子。
・熱心と評判だけれども”裏の顔”がある先生。

 毎日を穏やかに過ごしたいだけなのに、次々と問題が湧き起こってくる。目の前の問題を解決しようとすると、周りの人と軋轢が生じて、更に問題が増える。

現状を変えたい。

 陽子はひとつひとつの問題をなんとかクリアしていきますが、最後に正論で武装したPTA会長に完膚なきまでに叩きのめされます。それでも「何とかしよう」と前に進む。

八人の仲間有り。

 自分のために、家族のために、良いと思ったことをやり続ける。そうすると理解してくれる人も出てきて、望んでいる方向に現実を近づけていける。今、何かを変えたいと思って頑張っている方は是非読んでみてください。

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