『あの日まで、僕はこの世に奇跡が存在するなんて信じていなかった。』
(山本弘著「詩羽のいる街」7ページから引用)
バイトしながらマンガ家を目指していたものの、挫折しかけていた陽生(はるお)は、ある日公園で詩羽(しいは)と出会う。
6年間お金を持たず「わらしべ」で価値を生み出し続ける。
お金を1円も持たず、家もない。それでも街の人々同士を結びつけることで価値を生み出す。”親切”を武器にして、ご近所に”奇跡”を起こしていく。「へー」「ほう」「なるほど」と読み進めていくうちに、気がついたら読み終わってしまいます。
お金は便利な道具だけれども、・・・
丹精込めて育てた野菜も、自分の全てを注ぎ込んで描いたマンガも、多くの人々が力を合わせて作り上げたイベントも、”お金”として見ると100円、1000円、10000円、・・・とただの数字になってしまう。
逆に言うと、”お金”というフィルターを外せば、100円、1000円、10000円というただの数字から沢山の物語が紡ぎ出される。読む度に目からいろんなウロコが落ちます。
特に”お金”に関わる仕事をしている方にオススメです。
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