【速読3】できるようになった時に、やって欲しいこと。

本の読み方

「速く読めたことに満足してしまう」と、本来の「本を読む」目的から外れてしまう。

 私は速読をマスターして本をたくさん読めるようになって知識が増えてきた時に「あー、コレは知ってる」「ふんふん、へー、はい終わり」とサラッと表面だけなぞって満足するように知らず知らずのうちになっていました。しかし、ある時「そうじゃない」ということに気が付きました。

本を読むことで何を得たいのか。

 前提となる知識を一通り確認する、全体像をざっくりと掴む、複数の視点から物事を見る、といった用途では速読は力を発揮します。しかし「深み」を求めるなら1冊の本をじっくりと何回も読むことが必要になります。

同じ本を何回も読む。

 速読ができるようになって”自分に合った本”が見つかったら、一通り読んで終わりではなく何回もくり返し読む。そうすると読む度に新たな気づきがあり、理解も深まっていきます。また、自分自身の変化と共に読んで感じることも変わっていきます。

そのことに気がついたのは「女信長」。

 佐藤賢一さんの「女信長」は「もし織田信長が女性だったとしたら・・・」という仮定で書かれた歴史小説です。1回目に読んだ時は「織田信長が斎藤道三に会う」ところから「本能寺の変」まで夢中になって読みました。また、織田信長が女性だったからこそ革新的な戦略や政策を取れた、というストーリーの説得力に圧倒されました。

「天下を取ることの何が難しい。誰であれ、要は心がけの如何だというのだ」

 何回目かに読んだ時は序盤のこの言葉がグサッと心に刺さりました。

「民人が望んでいるのは太平の世だ」「それなのに戦国大名は戦を楽しんでいる。男は戦うのが好きだ。だから戦乱を終わらせることができない」「私は太平の世を作るために戦う。そのために必要なやり方を考える。そう思って行動しているのは女である私だけだ。だから戦えば勝つし戦乱を終わらせることができる」

 信長が採用した革新的な手段(「長槍」「鉄砲」、南蛮流の「常備軍」「集団戦」「能力主義」「構城野戦」、「金」「見せしめ」「色仕掛け」)は枝葉であり、根本的な部分で他のどの大名よりも優れていたから「勝てる」と確信を持った。当時ドラッカーとかを読み出した時だったので余計に印象に残りました。

「愛されたかった」

 その後さらに何回目かに読んだ時は、本能寺の変での信長の言葉が心に響きました。結婚して幸せを感じられるようになったからかもしれません(ノロケではありません)。読むことで、自分がどういうことを望んでいるか、どう生きたいのかということに関しても気づきがありました。

速読ができるようになったら、同じ本を何回も読んで欲しい。

 本をたくさん読んで、自分にとって大切な本を見つけて、何回も読む。そうするとたくさんのモノを得ることができます。

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